商いの信条は、
買うての幸い 売っての幸せ
売り上げ高だけを競うんは、積み上げた金銀を
誇るんは、その教えから外れることになる。
大坂天満界隈を題材にした時代小説
高田 郁先生の最新連載小説
【あきない世傳】
物がさっぱり売れない享保期に、摂津の津門村に学者の子として生を受けた幸。父から「商は詐なり」と教えられて育ったはずが、享保の大飢饉や家族との別離を経て、齢九つで大坂天満にある呉服商「五鈴屋」に奉公へ出されることになる。慣れない商家で「一生、鍋の底を磨いて過ごす」女衆でありながら、番頭・治兵衛に才を認められ、徐々に商いに心を惹かれていく。果たして、商いは詐なのか。あるいは、ひとが生涯を賭けて歩むべき道か―大ベストセラー「みをつくし料理帖」の著者が贈る、商道を見据える新シリーズ、ついに開幕!
高田先生の小説と出会ったのは、かれこれ9年ぐらい前になります!お菓子やパンなどにどハマりして、料理も並行して習いに習いまくっていた時期です!お菓子やパンに興味がある人は、継続購読する【cafe sweets】のトピックスに、
【みをつくし料理帖】を何気なく見つけてから!
神田御台所町で江戸の人々には馴染みの薄い上方料理を出す「つる家」。店を任され、調理場で腕を振るう澪は、故郷の大坂で、少女の頃に水害で両親を失い、天涯孤独の身であった。大坂と江戸の味の違いに戸惑いながらも、天性の味覚と負けん気で、日々研鑽を重ねる澪。しかし、そんなある日、彼女の腕を妬み、名料理屋「登龍楼」が非道な妨害をしかけてきたが・・・・・。料理だけが自分の仕合わせへの道筋と定めた澪の奮闘と、それを囲む人々の人情が織りなす、連作時代小説の傑作ここに誕生!
それまでは、時代小説も全然興味もなく、小説は
もっぱらクスクス笑えるエッセイ系。
そんな中、食をテーマに、人情味と料理の描写、展開のテンポ良さそして何よりリアルな天満橋の今昔が重なり、涙あり笑いありで、新刊が出るのが待ち遠しい!
そして何より人としてどうあるべきか?が見え隠れする本当に素敵な小説です。
今回のあきない世傳も、舞台は呉服屋と変わりますが、
女性が社会で生きる葛藤、そして秘めたる想い。
その中にある芯の強さ、細やかさとしなやかさ。
澪ちゃんにしろ、幸さんにしろ、時代に翻弄されながら、宿命を受け入れ、運命を切り開く。
時代の流れには抗えず、刻々とスピードを増す現代で、ものが溢れ情報が溢れても、
人としてどうあるべきか?は、
時代が変われど変わらない真理。
高田先生の小説を読むといつも初心に戻ります。
侑歩に関わってくれている仲間も、
まさに一介の主婦。
子育てをし、家庭を守り、
社会でどう自分らしく生きるか?
そんなことを模索しながら、
売り上げ高だけを、金銀だけを競うんは、
買うての幸い 売っての幸せに外れる。
金銀は人のお役に立ってこその対価。
この表裏一体を
模索しつつ、
心のあるがままに
商品は、自分
武器は、知恵と本業と持ち札
扱いは、人間味すなわち人間力
今日も、仁美ちゃんがイケてくれたお花と椅子のカバーがお客様の目にとまり、
ここに来ると忘れかけていた何かにホッとします。
そんなことを言ってくださって、嬉しい限りです。
この技は、私には出来ませんからね。
ありがとう。